テニスで初めてダブルスをプレーした時のことを覚えていますか?
おそらくほぼすべての方が、ネット付近でプレーする【前衛】とベースライン付近でプレーする【後衛】に役割がわかれる【雁行陣】でダブルスをプレーしたと思います。
もちろんタマ(ノンプレッシャー)もそうでしたが、初心者の方は
- 前衛の時に何をすればいいかわからない・・・
- 前衛は前後に動けって言われるけど、ただ動いてるだけになってる・・・
- 結局前衛は全然ボールに触れない、これじゃまるで「置物」・・・
- ボレーが苦手でポーチに出られない・・・
- 戦術?後衛がストロークで頑張るだけ・・・
という感じで、いまいちダブルスを楽しめない方も多いのではないでしょうか?
しかし、【雁行陣での前衛の動きかた】がわかると、ボレーとスマッシュに自信がなくてもダブルスの醍醐味である「ペアと協力してポイントを取る」ことができるようになり、ダブルスが一気に楽しく・勝てるようになりますよ!
ダブルス勝利の鍵は前衛が握る!
めざせ【脱置物】!
目次
雁行陣ダブルスにおける前衛の大切な動きは2つ【攻めと守りの動き】
- ポジショニング(立つ位置)や動き(フェイントなど)で相手後衛にプレッシャーをかけ自由に打たせない。
- 相手前衛のボレー(ポーチ)に備えてコートの「センター」を守る。
雁行陣で戦うダブルスにおける前衛の動きはおもにの上記の2つです。
2つとも【ボールを打つ前に行う動き】すなわち【ポジショニング】です。
【ボールを打つ以外の役割をしっかりと果たすこと】つまり【正しいポジショニング】が、前衛の最終的な役割である「ボレー(ポーチ)やスマッシュでポイントを取る」回数を増やすことにつながります。
ボレーやスマッシュが苦手な初心者の方は多いと思いますが、ボールを打たなくても【相手のミスを誘ったりチャンスボールを呼び込む動き】で、雁行陣の前衛はペアの後衛を助けることができるのです。
それでは、雁行陣ダブルスにおける前衛の動きかたについて、具体的にどのような場面でどのような動きをすればよいのかご紹介します。
実は後衛より前衛のほうが忙しい!?
【雁行陣前衛の動き:攻め】相手後衛にプレッシャーをかけ自由に打たせない動き
- ペアが打ったサーブを相手後衛がリターンするとき
- ペアの打ったボールが相手前衛にボレーされずに相手コートに入りそうなとき
このとき、前衛がしなければならない動きは次のとおりです。
- 相手後衛が打つ前にネット寄りにポジションを移動する。
- ペアの打ったボールがサイドライン寄りのときはポジションをサイド寄りに、センター寄りのときはポジションをセンター寄りにする。
- 余裕があればフェイントをかける。(上半身だけを動かしポーチにでるフリ)
ポジションをネット寄りに移動【前に詰める】
ペアがサーブを打ったとき、ペアの打ったボールが相手前衛にボレーされないと判断したときは(相手前衛の足の動きに注目しましょう)、ポジションをネット寄りに移動しましょう。
このとき前衛がネット寄りにポジションを移動していなかったらどうなるでしょうか?
相手の後衛から見える光景は【ガラ空きのセンター】です。
センターが空いているためクロスはポーチに出られる怖さがまったくなく、ストレートも前衛の足元が空いているため、相手後衛はコート全面好きなところに打ててしまいます。
なので、ダブルスにおいて前衛は相手後衛が打つ前にポジションをネット寄りにし【センターを通さない】ことが重要です。
ダブルスで後衛がいちばんツラいのは、味方の前衛にセンターをスルーされること!?
「ポーチにうまく出られない・・・」という初心者の方によくある悩みは【立ち位置がネットから離れすぎている】ことが原因であることが多いです。
ネットから離れたポジションでは、相手後衛が打ったクロスボールへの距離が遠くなり届きません。
ネットに近いポジションを取ることで、相手のクロスボールに【角度がつく前に少ない移動距離で】ポーチに出られるようになります。
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ペアの打ったコースにあわせたポジション【斜め前方に】
ネット寄りに移動する際に、ペアの打ったコースにあわせて【斜め前方】に移動し相手の打てるコースを狭めることができれば、よりポーチに出られるチャンスが増えます。
ペアの打ったボールがコートの中央(センター)寄りに入ったなら前衛のポジションもセンター寄りに、サイドライン寄り(ワイド)に入ったならポジションもサイド寄りにしましょう
特にペアの打ったボールがセンターに入ったときは、相手後衛が打つボールに角度がつかないのでポーチに出るチャンスです。
すかさずセンターに向け斜め前方に移動しセンターのコースを塞ぐことで相手後衛にプレッシャーをかけましょう。
いっぽうワイドに入ったボールは相手後衛から見ると、コートの外側から内側に向かって打てるストレートは打ちやすい(打ちたくなる)コースと言えます。
ペアの打ったボールがワイドに入ったときは、サイド寄りの斜め前方に移動しストレートのコースを塞ぎながら、センター寄りにきた甘いボールのポーチを狙いましょう。
ストレートはどうする?【ラケットに当てられればOK】
初心者の方で多いのが必要以上にストレートを警戒しサイドに寄りすぎるケースです。
前衛が触れないようなボールを狭いストレートにはたして相手は1試合のあいだに何本打てるのでしょうか?
ネットにしっかり詰めていればストレートは怖くありません。
きれいにボレーしようとするのではなく、ボールが跳ね返るように面をセットするだけで大丈夫です。
ネットに近いポジションを取れていれば、面を作って当てるだけで相手コートに入ります。
相手のストレートに対しては【決めるのではなく返す】ことができればOKです。
相手からすれば、一度止められたストレートをもう一度狙うのはなかなか勇気のいることです。
いちばんやってはいけないのが【ストレートでポイントを取られたあとにポジションを下げてしまう】ことです。
これは前衛の役割を放棄したも同然、センターだけでなくストレートもガラ空きになってしまい相手に自由にプレーされてしまいます。
どうしてもストレートの強打を止められないときは、前衛もベースラインまで下がって「2バック」で戦うのもアリだにゃ〜
コースを塞いだらたまにフェイント【上半身だけでOK】
センターに打てなくなった相手後衛が狙うのは、より難しいサイドライン寄りかストレートです。
さらに相手後衛にプレッシャーをかけるために、時折【フェイント】を入れましょう。
フェイントは足を動かしてしまうと飛んできたボールに対する反応が遅れてしまうので、【軽く上半身をゆすりポーチに出るフリ】をするだけで十分です。
相手は打ちやすいコースを塞がれたうえにたまに入るフェイントに動揺し、サイドアウトを連発後、ロブで逃げることになるでしょう。
フェイントの応用編として【サイド側に上半身を動かしストレートを守るフリをしてポーチに出る】というのもあります。
フェイントでプレッシャーをかけて相手のボールをどんどん外に追い出そう!
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【雁行陣前衛の動き:守り】相手前衛のポーチに備え「センターを守る」動き
- ペアの打ったボールが相手前衛にポーチ(ボレー)されそうなとき
このとき、前衛が行う動きは次のとおりです。
- ポジションを下げ、センターラインとサービスラインの交わるいわゆる【Tゾーン付近】で構える。
- 相手前衛に体を向け【打ち返しそうな雰囲気】を出す。
- ポジションを下げるのが間に合わない時は、移動を止めすぐ構える。
「Tゾーン」付近に移動する【コートのセンターを守る】
なぜ守るのが「コートのセンター」なのか?サイドがガラ空きになるけどいいのか?
センターに打たせて後衛が取る方がいいようにも思えますが、相手にとってセンターはラインまでの距離が長いためアウトを恐れずもっとも安全に打てるコースなので、相手によりリスクの高いコースに打たせるため【守るべきはセンター】です。
センターを守りながら、空けたサイドに来るボールを待つイメージだな。
相手前衛に体の正面を向ける【打ち返しそうな雰囲気】
相手前衛がポーチの体勢に入っていれば、こちらはかなり不利な状況ですがあきらめる必要はまったくありません。
ポーチに出た相手前衛の視界にはボールと一緒に前衛であるあなたも入っているはずです。
このときしっかりと体の正面を向けて準備のできている前衛を見てしまうと「返されてしまうのでは?」と思い、より厳しいライン際にボレーを打ちたくなってしまうものです。
そうすればしめたものです。
ボレーのサイドアウトによる自滅を期待できるうえに【打ってくるコースをサイドに限定できる】ので、後はボレーボレーのつもりでボールから目を離さずラケットに当てることに集中しましょう。
ポジションを下げるのが間に合わなかったとしても、相手に体を向け構えることだけはやっておきましょう。
構えてさえいれば意外と何とかなりますよ!
「ポーチ1本で決めさせない」という姿勢を見せることが相手のミスを誘うんだにゃ〜
【まとめ】雁行陣の前衛は「相手の打てるコースを狭める」動きをする
相手の打てるコースを狭める動きをすることで、相手のミスを誘いチャンスボールを呼び込む
雁行陣のダブルスでよく言われる前衛の【前後の動き】(正確には斜め前後)
これは相手にとって安全なコースであるセンターに打たせず、より厳しいコースを狙わせミスを誘う、プレッシャーをかけチャンスボールを呼び込む動きです。
これが雁行陣のダブルスで前衛が行う【ペアと協力してポイントを取る】ための動きです。
もし相手の前衛がこの動きができていないのであれば、こちらは2人で相手後衛1人と戦っているようなもの。
雁行陣(とくに初心者)のダブルスでは、前衛が試合を通して「前後の動き」つまり【攻めの守りのポジショニング】をさぼらずにできるかどうかでペアとしての強さが大きく変わります。
ボールを打つ回数が多くなる後衛が主役に思われがちな雁行陣のダブルスですが、勝負の鍵を握るのは【前衛の動き】です。
雁行陣のダブルスは【前衛のポジショニング】が勝敗を分ける!?