【ラケットインプレ】DUNLOP SX300 コントロールできるスピン系中厚ラケット 「ノリ」のいい優等生!?

2020年2月22日記事アイキャッチ画像

今回のラケットインプレは、2019年12に発売された「DUNLOP SX300」です。

シャフト部分画像
スピン系中厚モデルですが、コントロールしやすいところがいい!

先日以下の記事で、PHANTOM O3 100の「メインラケット決定」宣言をさせていただきました。

2019年12月10日記事アイキャッチ画像 【ラケットインプレ】Prince PHANTOM O3 100 フラットドライブ向き攻撃専用ラケット、サーブ時の振り抜きが凄すぎる!

PHANTOM O3 100に変えるまで使用していたラケットは、いわゆる「黄金スペック」の飛びがとてもいい「楽な」ラケットでした。

ただ、「スピン性能」「振り抜き」にやや不満を感じており、次第に「自分で打っている感じ」も欲しくなってきました。

そのためラケットを変更することにしたわけですが、じつはPHANTOM O3 100とどちらをメインラケットにするか悩みながら2カ月間テストしていたラケットがあり、それが今回ご紹介する「DUNLOP SX300」です。

DUNLOPのSXシリーズは全5機種が発売されていますが、タマ(ノンプレッシャー)が選んだ「SX300」はフェイスサイズ100平方インチ、重量300g、バランス320mmの「黄金スペックど真ん中」のモデルです。

となりのステファンくん
となりのステファンくん

SXシリーズのキャッチフレーズは
「スピンを変える(SPIN REDEFINED)」
いかにもスピンがよくかかりそうなイメージだにゃ〜。

タマ(ノンプレッシャー)は「スピンブーストテクノロジー(SPIN BOOST TECHNOLOGY)」による「弾道補正機能」が気になっていました。

また、SX300はフレーム厚が23~26mmの「中厚ラケット」なのですが、RA値が「64」と前作のSRIXON REVO CV3.0より4ポイント低く、中厚ラケットとしては低いRA値であるため、少し苦手な中厚ラケットの「強い弾き感」がマイルドになり、「ボールの乗り」を感じられるラケットになっているのでは?と期待していました。

タマ(ノンプレッシャー)
タマ(ノンプレッシャー)

「RA値」はラケットの「硬さ」を数値化したもので、70以上は硬いラケット、65以下は柔らかいラケットといえるよ!

実際に2カ月ほど使用してみたSX300は期待以上で、

  • ボールの乗りがよく、飛びとスピンを適度にアシストしてくれる『コントロールできる中厚』ラケット
  • 偏った特徴がないかわりにあらゆるショットが打ちやすい『レベル、プレースタイルを問わない優等生』ラケット

でした。

注意
「スペックなんて知ってるわ!」という方は、【インプレ】または【感想】からご覧ください。

DUNLOP SX300のスペック

ラケット画像
  • 発売日:2019年12月7日
  • フェイスサイズ:100平方インチ
  • 平均ウェイト:300g
  • バランスポイント:320mm
  • 全長:27inch
  • フレーム厚:23〜26mm
  • ストリングパターン:16×19
  • RA値:64

使用ガット

シグナムプロ トリトン(SIGNUM PRO Triton)1.18mm 45ポンド

ガット表面の「粒」加工によりスピンがよくかかる柔らかめのポリエステルガットです。

ラケットシャフト部分スペック表示
ENGINEERED IN JAPAN

【テクノロジー】DUNLOP SX300の売りは「弾道補正機能」

SXシリーズのキャッチフレーズは「スピンを変える(SPIN REDEFINED)」なので、「スピンブーストテクノロジー(SPIN BOOST TECHNOLOGY)」による「弾道補正機能」がこのラケットの「目玉」ですが、他にも前作になかった機能や前作から引き継がれている機能がありますので、順に紹介していきます。

スピンブーストテクノロジー(SPIN BOOST TECHNOLOGY)

SXシリーズ最大の特徴である「弾道補正機能」を生み出すのが「SPIN BOOST TECHNOLOGY」です。

スピンブーストの言葉から、つねにボールの回転量が増えるのかと思ってしまいますが、そうではないようです。

インパクトにおいてラケット(ガット)とボールとの接点が上下にズレることによるネット・アウトを防ぐために、

「スイートスポットから上下に外れたボールの弾道を適切な弾道に『補正』する」

機能です。

となりのステファンくん
となりのステファンくん

ボールの当たった場所でガットの動き方が変わるようになってるんだにゃ〜

具体的には、ラケットフェイスのトップ部のグロメットに工夫がされており、メイン(縦糸)10本分が可動量、可動方向の異なる2種類の楕円形グロメットになっています。

スピンブーストグロメット
ラケットフェイストップ部分の「スピンブーストグロメット」

このテクノロジーにより「飛びの安定性が約13%向上しスピン量も約3%増加」したという結果が出ているようです。

また、ボールへの喰い付きもアップするようで、「乗り」がいいと感じたのはこのテクノロジーの効果もあるかもしれません。

むかいのボリスくん
むかいのボリスくん

ボールのスピン量アップよりも「飛びの安定性向上」に効果があるのか・・・「スピンブースト」って名前、どうなんだ??

パワーグリッドテクノロジー(POWER GRID TECHNOLOGY)

これもスピンブーストテクノロジーと同様に、前作SRIXON REVO CV3.0にはなかったテクノロジーです。

パワーグリッドテクノロジー

前作と比べフェイス先端部分のマス目が22%、中央部分のマス目が2%大きくなっています。(先端部分は縦長、中央部分は横長のマス目になってます。)

その結果、先端部分のスイートエリアが30%拡大し、反発性能とコントロール性能もアップしたとのことです。

タマ(ノンプレッシャー)
タマ(ノンプレッシャー)

コントロール性能が犠牲になっていないのがポイント!

ソニックコアテクノロジー(SONIC CORE TECHNOLOGY)

反発性能がアップ・振動を吸収・面ブレを抑える効果がある、SRIXON時代からのテクノロジーですが、素材がアップデートされより高い反発性を発揮する「Infinergy®(インフィナジー)」が採用されています。

MEMO
【Infinergy®(インフィナジー)】:ドイツBASF社開発の高反発ウレタン発泡体材料(E-TPU)で、ランニングシューズなどに使用されています。
ソニックコア

SXシリーズではフェイスの「2時と10時」の部分に搭載されています。

タマ(ノンプレッシャー)
タマ(ノンプレッシャー)

たしかにソフトな打球感!
フレームの厚みもあるから面がブレる感じはなかったよ!

Vエナジーシャフト2(V ENERGY SHAFT 2)

前作SRIXON REVO CV3.0でもおなじみのテクノロジーです。

スロート側面の「溝」が「しなり」を生み、インパクトの前半では「ボールが食いつく」効果、インパクト後半では「強烈なパワーを発揮する」効果があるとのことです。

Vエナジーシャフト2
Vエナジーシャフト2
となりのステファンくん
となりのステファンくん

低いRA値、スピンブーストテクノロジーとこのVエナジーシャフトの効果があわさって、絶妙な「乗り」がうまれるのかにゃ〜

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【インプレ】DUNLOP SX300の良かったところ

タマ(ノンプレッシャー)
タマ(ノンプレッシャー)

ボールの軌道を上げたり回転量を増やしたい場面で、スピンブーストテクノロジーの「弾道補正」効果を発揮!
でも一番打ちやすかったショットは・・・

ボールの乗りがよく、コントロールしやすい

  • 低めのRA値、Vエナジーシャフト、スピンブーストテクノロジー(副作用?)の効果なのか、弾きよりもボールの「乗り」を強く感じる。
  • ボールが乗っている時間を長く感じられるため、狙ったところに打ちやすかった。
  • 疲れない程度に「自分で打ってる感」を味わえるちょうどいいパワーアシスト

ストロークでボールの軌道を上げやすい

  • スピンブーストテクノロジーの「弾道補正」効果を実感できた。
  • ボレー対ストロークで相手の低く滑ってきたボレーを打ち返す際に、ボールを持ち上げやすく、ネットを超えたあとに急激に相手の足元に落下するボールを打つことができた。
  • 同じように「弾道補正」効果を感じたのがトップスピンロブで、回転がかけやすくに打ちやすかった。

じつは一番打ちやすかったのがボレー

  • スピンブーストテクノロジーがSXシリーズの売りなので、ストローカー用ラケットという印象を持っていたが、タマ(ノンプレッシャー)が一番打ちやすいと感じたのがボレーだった。
  • 中厚フレームならではの面安定性の高さ(ソニックコアテクノロジーも効いてる?)があり、弾きと乗りのバランスがちょうどいいため(ガットの影響もあり?)、狙ったところにボールを「運ぶ」ことができ、当てるだけの守りのボレーもそれなりに飛んでくれた。

回転系サーブが打ちやすい

  • サーブにもスピンブーストテクノロジーの効果があったのかはわからないが、スピンのかかりが良かった。
  • カタログなどで紹介されているテクノロジーは特にないが、振り抜きがフレームの厚さのわりに良かった。

シンプルで飽きのこないデザインとカラー(個人的な好み)

  • SRIXON時代のデザインは、ほかのブランドと比較して「日本独自」感が強く正直苦手だったが、DUNLOPになってからのデザインはシンプルで「強そう」感が出ていて好き。
  • マットブラックに少し蛍光がかったイエローは大好きな配色。

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【インプレ】DUNLOP SX300のちょっと気になったところ

タマ(ノンプレッシャー)
タマ(ノンプレッシャー)

正直、まったくと言っていいほどマイナス面のない完成度の高いラケットだけど、あえて気になる点をいくつかあげるとすれば・・・

ほとんどないけど、あえてあげるとすれば・・・

  • スイートスポットで打ったときは特にスピンがかかるとは感じない、引っ掛けて打って「弾道をあげようとしたとき」に弾道補正効果を感じられた。
  • 弾道を「低くする」補正効果は感じることはできなかった。
  • 「今の本当に自分が打ったボール?」と感じられるような爆発的なパワーはない。
  • 気のせいかもしれないが、グリップ形状がほんの少しだけ「扁平(へんぺい)」に感じた。(ちがうラケットの後に握ると感じるけど気のせいかも・・・)

【まとめ】コントロールできるスピン系中厚ラケット!プレースタイルを選ばずあらゆる性能が高水準!!

タマ(ノンプレッシャー)
タマ(ノンプレッシャー)

使い手を選ばないとても完成度の高いラケット!
でもこのジャンルは「激戦区」だからなぁ・・・

Prince PHANTOM O3 100と2カ月のあいだ(二股をかけながら)DUNLOP SX300を使用してきました。

中厚ラケットだけど弾きよりもボールの乗りが強くしっかり押せる、アシストはしてくれるけど自分の意思でコントロールできる

「プレースタイルを選ばないあらゆる性能で高水準なラケット」

だと感じました。

あらゆる性能が高水準でまとまっているがゆえに、「偏った特徴」のない地味なラケットに感じてしまいますが、その分ガットでの調整がしやすいと思います。

むかいのボリスくん
むかいのボリスくん

初心者から上級者までOK!?

中厚ラケットの「打感の軽さ」、「球離れの速さ」に不満がある方、薄いラケットから中厚ラケットに替えたいけど「ボールの乗り」と「自分で打っている感」は失いたくない方にはぴったりの

「中厚ラケットと薄いラケットの溝を埋めてくれる【都合のいい】ラケット」
(シャフトに溝はあるけれど・・・)

それがDUNLOP SX300をタマ(ノンプレッシャー)が2カ月間使って感じた印象です。

DUNLOP SX300 をおすすめしたいプレイヤー
  • ベテランの域に片足が入り薄いラケットから中厚ラケットへの変更を検討しているのプレイヤー
  • 中厚ラケットを使っているけど、たまに薄いラケットが恋しくなるプレイヤー

300gのラケットを「重い」と感じない方なら誰にでもあうんじゃないかと思うラケットですが、特におすすめしたいプレイヤーは、「ベテランの域に片足が入り薄ラケから中厚への変更を検討しているのプレイヤー」「中厚ラケットを使っているけど、たまに薄いラケットが恋しくなるプレイヤー」です。

ラケットのアシストは欲しいけど、ボールに自分の意思を伝える余地は多めに残してほしいという多少わがままな望みにもきっと応えてくれるはずです。

DUNLOP SX300 をおすすめしないプレイヤー
  • もともとスピンをかけるのが得意、ボールの勢いで相手を押し込むプレイヤー

あまり向かない(もっとあうラケットがある)と思われるのは「もともとスピンをかけるのが得意、ボールの勢いで相手を押し込むプレイヤー」です。

300gでは軽すぎる、スピンブーストテクノロジーは「よけいなお世話」と感じるかもしれません。

そういう方はそもそもSXシリーズを選ばないと思いますが、SXシリーズから選ぶのであれば重量310グラムの「SX300ツアー」がいいのではないでしょうか?

いまのところ、タマ(ノンプレッシャー)の「メインラケット」は、その強い個性のとりこになっているPrince PHANTOM O3 100で、DUNLOP SX300は「サブラケット(都合のいい浮気相手)」ですが、いつか立場が逆転するときが来るかもしれません。(格上相手のダブルスでどうしても勝ちたいときは使うかな・・・)

その時は改めてご報告したいと思います。

シャフト部分画像
なんでもできる優等生(派手さはないけど)
むかいのボリスくん
むかいのボリスくん

いや、すぐに「第3のラケット」が現れてそっちに行くさ。

となりのステファンくん
となりのステファンくん

きっとそうだにゃ〜

タマ(ノンプレッシャー)
タマ(ノンプレッシャー)

・・・。