【テニスラケット】スイングウェイトについて【買う前に知っておきたい大切なこと】

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どのラケットのスペック表示にも「重量」と「バランス」は必ず記載されています。

いっぽう、テニスラケットにとって重要だけど表示されることの少ない「スイングウェイト」

今回はその「スイングウェイト」についてのお話です。

重量とバランスの数値が同数値の同じラケットでも、振ったときに「何か違う・・・ホントに同じ?」と感じることがあります。

確かに重量、バランスは同じです。でもそのラケット・・・

「スイングウェイト」

が違うんです。

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となりのステファンくん

スイングウェイトってなに?そんなに大事なの??


「スイングウェイト」ってなに?

【スイングウェイト】について その1

ラケットを振ったときに感じる重さを数値化したもの(単位はkg×c㎡)

スイングウェイトは簡単にいうと、

ラケットを振ったときに感じる重さを数値化したもの

です。

それでは、スイングウェイトについて、もう少し詳しくみていきましょう。


スイングウェイトは「重さの位置」で大きく変わる。

【スイングウェイト】について その2
  • 同重量・同バランスのラケットでも同じスイングウェイトになるわけではない。
  • ラケット全体の重さではなく「重さ」が【ラケットのどの場所に配分されているか】でスイングウェイトは変わる。
  • 「重さ」の配分されている場所がラケットのトップに近いほど、スイングウェイトは大きくなる。

下の図を見てください。
実はこれ、ラケットで言うところの

【同重量・同バランスでもスイングウェイトが異なるケース】

をかなり極端に表現したものです。
(図形はラケットの形状ではなく、重さの配分量を表しています。)

同重量同バランスのラケットでもスイングウェイトが異なるケースのイメージ図
同じ重量・同じバランスでも重さの場所が異なるケース

Aは重さがラケットに均等に配分されていますが、Bはラケットのヘッド(トップ)側とグリップ側にかたよって重さが配分されています。

このケースの場合、スイングウェイトが大きくなるのは【B】です。

スイングウェイトとはラケットを【振ったときに感じる重さ】を数値化したものですが、言い換えると

【グリップを支点としたスウィング動作における慣性モーメント(回転のしにくさ)】

を表しています。

慣性モーメントは、重さに比例し、かつ、「支点から重さのある場所までの距離」の「2乗」に比例して大きくなります。

距離の「2乗」ということは、重さそのものよりも重さの場所が大きな影響力を持っており、支点から離れた場所に重さがあるほど大きくなります。

つまりスイングウェイトにとっては

支点(グリップ)部分の重さはほとんど関係がなく、フレームのどの場所に重さを配分しているか

が重要です。

ラケットにおいては、支点であるグリップから最も離れた場所はヘッド(トップ)部分です。

つまり、重さがヘッド(トップ)に集中すると(トップヘビーにすると)、スイングウェイトは大きくなります。

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タマ(ノンプレッシャー)

グリップテープの重量は5g前後あって、巻く前と巻いた後で振った感じはほとんど変わらないけど、5gの重りをトップに貼ったら操作感(スイングウェイト)は大きく変わるからね!

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スイングウェイトでラケット性能はどう変わる?

【スイングウェイト】について その3
  • スイングウェイトが大きいラケットは打球時に面が安定する。
  • スイングウェイトが大きいラケットは腕に負担がかかる。
  • スイングウェイトが小さいラケットは操作性がよい
  • スイングウェイトが小さいラケットは相手の強いボールに打ち負けやすい
  • スイングウェイトは大きすぎても小さすぎても良くない。

【重さの配置場所】によって変化するスイングウェイトはラケット性能に大きく関わります。

スイングウェイトが、振ったときに感じる重さ(回転のしにくさ)を表しているなら、同じ重量のラケットでもスイングウェイトが小さいラケットのほうがいいと思いませんか?

いえいえ、スイングウェイトにはちゃんとメリットがあって、

【スイングウェイトが大きいラケットは打球時に面が安定する】

んです。

逆にスイングウェイトが小さいラケットは振りやすい反面、相手の強いボールに打ち負けやすくなります。

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むかいのボリスくん

じゃあスイングウェイトは大きければ大きいほどいいってことか?

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タマ(ノンプレッシャー)

いや、必ずしもそうとは言えないんだ。

ちょっと極端な「たとえ」ですが、トンカチで考えてみましょう。

  • トンカチの「柄」を持って「頭」で釘を打つ場合
  • トンカチの「頭」を持って「柄」で釘を打つ場合

どちらの持ち方をしてもトンカチの重量は変わりませんが、「柄」を手に持って、重さが集中している「頭」で釘を打ったほうが、あきらかに釘を力強く打てます。

「柄」でも釘を打てるとは思いますが、大して釘にちからは伝わらないわりに手に帰ってくる衝撃は大きいはずです。

ただ、トンカチの「頭」があまりにも重かったら何本も釘を打つと疲れますし、そのうちうまく振れずに自分の指を叩いてしまうかもしれないですよね。

トンカチ
「頭」が重いほうが強いちからで打つことができますが、重すぎてもうまく振れません。

つまり

【ラケットのスイングウェイトは大きすぎても小さすぎてもよくない】

といえます。


スイングウェイトを公表するメーカーが少ないのはなぜ?

【スイングウェイト】について その4
  • スイングウェイトはメーカーでは公表していない。(一部メーカーを除く)
  • スイングウェイトは重量、バランスより個体差が大きい。

「でもスイングウェイトってラケットにもカタログにも載ってないよね?なんでそんな重要な情報が公表されないの??」

・・・ですよね。

・・・当然そう思いますよね。

理由は次のとおりです。

ラケットは製造過程でバランスをスペック表示されている数値から±5(メーカーによっては±7)の既定値範囲内になるように、グリップ部分に重りを装着し調整する作業を行います。(当然重量も既定値内に収める必要があります。)

グリップ部分への重り装着でできるのはあくまで「静的」バランスの調整であり、スイング時にラケットの支点となるグリップの重さはスイングウェイトにほとんど関係ありません。

ただ、この静的バランスの調整後も、既定値の範囲内で重量の個体差は残っており、仮にスペック表示の重量から+5gのラケットと-5gのラケットがあり、その重量差がラケットのヘッド(トップ)部分で生じているとすると、スイングウェイトは40程度も違ってくると言われています。(実際にはここまで極端なケースはほとんどないでしょう。)

スイングウェイトの個体差を減らそうとすると、フレームの成形時に生じる重量とバランスの個体差を減らすために成形技術をより高精度なものにする必要があります。

メーカーとしては、スイングウェイトを調整するとなると製造における手間がかかりすぎるし、スイングウェイトは個体差が大きすぎるため公表しにくい

というのが、メーカーがスイングウェイトを公表していない理由と考えられます。

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2本揃えるときはスイングウェイト優先で選ぼう。

【スイングウェイト】について その5
  • スイングウェイトは購入時にお店で測ってもらおう。
  • 同じラケットを2本買う場合、重要なのは【スイングウェイト】が近い2本を選ぶこと。

個体差が大きいのにメーカーが公表してないのであれば、買う前に測ってみるしかないですよね。

でないと、

「せっかく同じラケットを2本買ったのに使用感が違いすぎて結局1本しか使ってない・・・」

なんてことになってしまいます。

実店舗で買う、ネットで買う、どちらも場合もきちんとしたお店であれば、実際の重量・スイングウェイトを計測し、同じラケットを2本同時に買う場合は可能な限り近い数字のものを用意してくれますので、お店で測定してもらった上で購入するのがおすすめです。

なお、重量・バランス・スイングウェイトの3つの数値が限りなく近いラケット2本を店舗の在庫から探すのは大変ですが、バランスはあくまで「静的バランス」なので、ラケットを2本揃える時の優先順位は

  1. スイングウェイト
  2. 重量

の順番です。

ラケットを2本揃える時はスイングウェイト最優先です。
ラケットを2本揃える時はスイングウェイト最優先です。

近い数値のラケットがない場合は、スイングウェイトが大きいラケットの方に、もう1本の重量とスイングウェイトをチューンナップで近づける方法もありますので、お店に相談してみると良いでしょう。

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タマ(ノンプレッシャー)

同じラケットを買い足す時は気をつけたほうがいいね!

本記事はスイングウェイトに絞ってご説明しましたが、ラケットスペックと性能の関係については以下の記事でご説明していますので、あわせてどうぞ!